時と手が生み出す集住体 ― 築68年の生活景を継承・発展させる団地更新手法 ―
 本作品は、京都で最も古い分譲団地の再生をテーマに、既存構造の特性を丁寧に読み解いたうえで、リノベーションの可能性を的確に見出した点が高く評価される。特に、CB造であることや界壁の可変性、内装の構成など、建物の柔軟性を活かした設計が秀逸である。また、卒業制作に取り組む姿勢とプロセスにも注目すべき点が多い。京都市内の約2000件に及ぶ分譲マンションをリサーチし、特徴的な物件を抽出したうえで、現地調査を実施。写真ではなく手描きスケッチによって建築の特徴を把握し、そこから導き出した「デザインコード」を作品に反映させている。建築を通して都市と人との関係性を見つめ直し、再生の意義を問い直す姿勢に、優れた建築的思考が表れている。
担当教員:京都美術工芸大学 生川 慶一郎 先生

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